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今日ものんびり動物園

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良いお年を2018

今年も当ブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。
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いつも様々な知見を齎してくれる動物たちと、日々彼らに向き合い、心を砕いてくださっている園館の職員の皆様、今年も大変お世話になりました。ありがとうございました。
ほとんど更新をしていないにも関わらず、ここを覗いてくださっている方々にも、改めてお礼を申し上げます。更新が滞ってしまい、申し訳ありません。

今年に入りさらに仕事が多忙を極め、観察記録を纏める時間がなかなか取れなくなってしまいました。
休日が減った影響もあって、今年は近所の多摩と横浜へせっせと通う日々となりましたが、馴染みの園でも訪問のたびに違う発見や驚きがあり、好奇心は尽きることがありません。発見したこと観察したこと楽しかったこと悲しかったこと、今年もたくさん得ることができました。写真と観察メモが溜まっていく一方なのが、少々心苦しいです(笑)

来年も変わらずマイペースのノロノロ更新になるかと思いますが、せめて多摩のオオカミたちの観察日記は続けていきたいと思っていますので、気長にお付き合い頂けたらと思います。

毎年恒例の、オオカミの総括は続きからどうぞ。





今年は戌年ということもあり、オオカミたちにとっても良い年になりますようにと願っていましたが、悲しい出来事のほうが多い一年となりました。

1月は中旬頃に群馬の群れの父親であったゼットンが死亡しました。とても優しい顔立ちで、息子たちと一緒に出ていた時は泰然自若としていたのが印象的でした。血統的にも望みのあった個体だったのでとても残念です。ゼットンが亡くなったあと、群馬では甥と叔母の関係にあたるベクトルとサクラをペアで出すようになり、血縁の近い組み合わせが今後どうなるかも注目しています。

また、同月には昨年群馬から富山に移動したシートンが公開になりました。
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私は2月に富山を訪れ、雪景色の中のシートンと、室内で元気にしているサスケにも、会うことができました。サスケは足腰が悪く放飼場には出せないということでしたが、食欲も旺盛でとても元気と伺い一安心。シートンも檻越しにサスケに親愛を示すなど、急に独り立ちしたシートンにも心の支えになっているようで微笑ましかったです。今年の11月に旭山からメスのノンノが来園したため、富山で新しいペアが誕生することになります。どうなるか楽しみです。
富山ファミリーパークはとても素敵な園でした。また近いうちに再訪したいと願っています。

3月には、東山から訃報と移動のニュースが同時に流れてきました。長女のジャネットが亡くなり(参照記事)、その訃報の翌日にはマイケル・ヒカル・ゲンキの3頭が神戸どうぶつ王国へ転出する、という急展開。3兄弟には神戸で会えますが、ジャネットにはもう会えなくなった、ということが、春に東山を訪問するまで、なかなか実感できませんでした。
中旬には、天王寺のユジンが亡くなりました。3月は美しいメスオオカミが2頭も亡くなってしまうことに…。ジャネットもユジンも、右に出るものがないほど美しい個体でした。本当に残念でなりません…。
また、ユジンが亡くなったことによりパートナーのチュンサンはバックヤード飼育になりました。高齢だったのでやむを得ませんが、もう会えないんだなあと思うと淋しい限りです。

5月になり、平川からロジック&ミナの子供が産まれたとの嬉しいニュースもありました。が、産まれた仔狼たちは写真で見る限りでは発育状況がとても悪く、将来を心配しながらzoo友さんや園からのお知らせを見守る日々でした。残念ながら、今年のうちに3頭が亡くなりましたが、1頭は無事に生育しているようです。平川の出産からの一連の出来事は個人的に興味深い点が多くあり、機会がとれたら平川へ再訪したいと思っています。

6月には、東山の旧獣舎にいたアオイが旭山へ移動になり、ヌプリとペアリングされました。非公開施設にいるため会うことはできませんが、運良くうまくいって別の血統ができると良いなと願っています。アオイの移動により、東山の緑に囲まれた旧オオカミ舎は閉鎖され、新施設に向けて計画が進められるようです。

年の前半は、主にシンリンオオカミ関連で大きな動きのあった年でした。

ここからは多摩のオオカミたちの総括です。
今季の繁殖期は特に何もなく、平和に過ぎました。
初夏に入った頃から、マロとチロは体調を崩すようになり、衰えが激しかったマロは、室内飼育へ切り替わりました。
詳細はこの記事の前記事、前前記事の通りです。
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マロは9月に、
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チロは11月に、闘病の末、息を引き取りました。ふたりとも本当によく頑張ったなと思います。
短期間の間に2頭も亡くなってしまい、私は未だにショックから抜け出せていません。少々心が虚ろなまま、それでも残されたメンバーを見届けようと多摩に通っています。

8月には、大放飼場で展示されていたロイ、ロト、ロキ、チロが分裂するという出来事がありました。きっかけはロイが突然チロを攻撃したことでした。チロが病気で弱っていたため、そこに苛ついたロイが攻撃したものと考えられます。
当初はチロを隔離していたものの、オス3頭になった途端にロキがロイに反目し始め、結局、原因のロイをひとり隔離することにしたそう。ということで、チロが倒れるまではロト・ロキ・チロと、ロイ単独という展示になっていました。
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この年になって、大放飼場組が分裂するとは思いませんでした。もう4頭でのコミュニケーションも、
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オス3バカトリオ(笑)での戯れ合いも見れなくなっちゃったなあと思うと複雑な心境です。
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ただ、昔からロイの下位への嗜虐性は確認されていて、いつかこういう自体になるのではと危惧していました。正直、誰かが犠牲にならなかっただけでも幸いだなと思っています。彼にとって独りは不遇かもしれませんが、このまま単独展示でいてくれたほうが安心です。
隔離された当初は来園者にもびくつくほど警戒していたロイですが、最近ではすっかり単独展示にも慣れ、以前の定位置で休むようになりました。
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チロが亡くなって、2頭になってしまったロトとロキ。もともと仲良しだったこともあって関係は良好ですが、2頭の序列がとても曖昧で、日によって交替しているように観察されます。序列が要因になって別れることがないといいけれど…。
チロが亡くなって日が浅い頃は彼女を捜すような様子を見せていた2頭ですが、ふたりにも徐々に慣れて、最近は戯れ合いも見せてくれるようになりました。これから、オスだけで過ごす初めての繁殖期に入ります。関係がどうなるのか注目して行きたいです。

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小放飼場組のネロリロは相変わらず仲は良好。室内の部屋が奥になってしまい、リロの様子がつぶさに見られなくなってしまったことだけが残念です。今のところ、リロは食欲も旺盛で体力も余ってる様子。来年もこのまま元気に、少しでも楽しく過ごして欲しいな。

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そして新たに組になったセロメロ。冬に入ってから、ラブラブな様子が散見されています。兄妹同士ですし、高齢なので妊娠はできないと思いますが、繁殖期に付随する行動を見せてくれそうなこの2頭。久しぶりに観察するのが楽しみな状況になってきました。

来年もどしつこく、多摩のオオカミたちを追いかけて行きます(笑)日々のレポなどは気が向いたらTwitterのほうに上げておりますので、そちらも覗いていただければと思います。
皆様、良いお年を〜!

(写真は全て18年中のものです)


by hana440 | 2018-12-31 23:56 | 多摩動物公園(オオカミ) | Comments(0)