2016年3月の二日間に見られた、第一放飼場のメンバーの様子を纏めて。

冬期頃から、単独でもちょこちょこと遠吠えをする姿が目立つロト(オス8歳)。特に、隣の第二放飼場にセロやメロが出ている日に、ひとり遠吠えが多いようです。

この日は他の3頭も釣られて?おつきあい程度に遠吠えをしていましたが、このあと珍しく4頭での親和行動に発展しました。

頭数が多かったときは、必ず遠吠え後に見られた交流シーン。4頭になってからはそのパターンが崩れつつあり、久しぶりに見た印象でした。今のところ順位が一番下と思われるロトが、まず1位のロイ(中央、オス8歳)へ挨拶をしにいきます。ただいつも決まって、ロキ(黄矢印、オス7歳)だけはマイペース。
今回は彼の様子から感じた違和感のようなものを綴ってみたいと思います。
続きは折り畳みます。

ロトがロイに挨拶をしている中、手前にいるチロ(メス9歳)も素早くその場に加わっていきますが…ロキは焦ることなく、痒いところを存分にカキカキ…(笑)

3頭の交流が盛り上がって来たところに、ようやく立ち上がって加わろうとしますが、すぐ傍にいる1位のロイには挨拶せず、後ろに回ろうとし…

顔を低くしたロトに、まず鼻を合わせようとします。
前回も少し触れましたが、こういった場での挨拶の仕方も、以前より変化してきました。普通はロト・チロのように1位(ロイ)にまずご挨拶、がセオリーだと思うのですが…ロキは現状に納得してないってことかな?ちょこちょこと意思表示するところがマイペースを装った生意気に見えます。

ロイを無視して、とりあえずロトの上に行こうとするロキですが

ロイとチロに強引に阻まれて、最初のご挨拶はこの2頭とすることになったようです(笑)ロイの微妙な気持ちを察してか、ロトは腹見せ状態になり、(ロキとの諍いにならないように)ロイを自分に向かせようとしていました。

4頭の交流が盛り上がって来ると、いちおう楽しそうな顔はするんだよね…。

気分が盛り上がったあと、ロイとチロ(右の2頭)は二人だけで仲良くし始めてしまいます。腹見せまでしたロトは、こういう時いつもロイにおいてきぼりにされるのですが、この機を待っていたかのようにロキが顔を寄せます。

ゆる〜く示威の意志があるのか、ロトにマズルを舐めさせたり、身体の上に跨がったり、とロトにだけ強引にやらせていたロキです。
ロトも和やかな雰囲気の延長だったので、反抗することなく穏やかにやり過ごしていました。
が、そんなロキのじわじわ迫るような態度が、段々とロトのストレスになって来たのか

下旬頃に見たときは、なんだか2頭の間の雰囲気が、変な様子になっていました(右がロキ、左がロト)。表立ってハッキリ変化したと分かる行動は見られませんでしたが、歩き回ったり、休んだりするときの2頭の距離や表情で、「ああ、何か…あったのね」と微かに感じる程度。

この2枚の写真はただすれ違ったときの表情を収めたものですが、なんとなーく漂う小さな違和感。主にロトのほうが、ロキに対して少々こわばっているように見えました。おそらく、ロキからロトに対して示威行動があり、ロトが嫌な思いをしたんでしょう。
ロトは一旦他個体を疎ましく思うと、その気持ちを長期間引きずる傾向があるので、少々心配になりました。
この小さな違和感が、このあと少しずつ4頭の関係の変化をもたらしていきました。
ふまえての展開は、また別の記事で。