春の東山訪問、オオカミたちのレポ続きです。
中央の放飼場には、マイケル(6歳)・ヒカル・ゲンキ(共に5歳)のオス兄弟組がいました。
変わらず黒いマイケル。訪問する少し前にグループ内で諍いがあったらしく、左目の上に傷がありました。現在はこの傷はなくなったようなので、深手ではなかったようです。
可愛い顔のヒカル。彼も闘争なのか、左目の際に傷がついていましたが、眼球自体には怪我はなかったみたいで一安心。
昨年より白いところが増えたかな?のゲンキ。彼は特に怪我のあとなどもなく、3頭の中で一番余裕のある雰囲気でした。
観察していた時間内だけでも、この兄弟の関係性が分かる場面をいくつか見ることができました。檻抜きが厳しいため、ピンぼけ写真を多用しますがご了承ください。
続きは折り畳みます。まずは3頭とマイケルを中心に。
昨年からマイケルは3頭の中で一番下位でしたが、それは今年も変わっていなかったようです。
なんとなく、揶揄うような雰囲気でヒカルがマイケルに圧力をかけ始めます。ゲンキも同じような表情でマイケルを見つめています。
ヒカルはそのまま尾を立てて、マイケルを隅まで追いつめました。マイケルは必死の形相です
ヒカルもゲンキも、マイケルを嗤うような表情だったのが気になっていたのですが、追いつめられたマイケルがお腹を出したときにその原因が分かりました(性器が出てます)。ヒカルからの示威を受けて出てしまったのか、それとも初めから出てる気配があって、ヒカルが示威行動するきっかけになったのかはよく分かりません。ゲンキは元から示威のつもりはないらしく、ただ面白がっているだけみたいでした。
一緒にマイケルの股間を嗅ぎ出すヒカルとゲンキ、観念したように反っくり返っちゃうマイケル(笑)これ、多摩の兄弟だったら匂いを嗅ぐ間もなくガウガウと闘争になることが多いですが、すぐに争いにならないのも東山の兄弟の個性が出ている気がします。
匂いを嗅ぎ終わったゲンキはそのまま座って事態を見守ることにしたようです。マイケルは2頭が身を引いた瞬間に立ち上がり、「もういいだろ?!」な表情でしたが、ヒカルは再び揶揄うように、マイケルの尻毛を毟っていました。上位が下位を揶揄う時って、尻毛を毟るのが定番なんでしょうか…(多摩でも良く見るので)。
ヒカルがあんまりしつこかったので、最後にマイケルがガウッと大きく反抗して、一連の行動は終わりました。このときのマイケルの態度で、3頭の中では最下位なんだなと分かりました。
ヒカルは特にマイケルへの示威行動が多く、たびたびこんな場面が見られました。
回数が多かったので、マイケルが「あーはいはい」と流しているようなときもありました(笑)
ゲンキとマイケルの関係は、終始穏やかな雰囲気でした。ヒカルから遊びに誘われると唇をめくりながら対応するマイケルですが、ゲンキから誘われると嬉しそうだったのも対照的。
ゲンキはマイケルに対して威圧することが少なかったので、マイケルも下手から行くのではなく対等に接しているような雰囲気がありました。
ことあるごとにちょこちょこ威圧してくるヒカルが鬱陶しそうなマイケルでしたが、ビクビクして離れて過ごすことはなく、3頭で戯れ合う場面も見られましたので、まだ分けるまでの危機には直面していない様子。
この春の時点では、ゲンキが間に立つことで3頭が安定した関係を保てているようにも見えました。今後のゲンキの出方次第で、マイケルの立場も変わってきそうな気がします。
ヒカルとゲンキの関係性については、次の記事で。
(2016.5)