前回の記事の続き。こちらはメス個体の変化などを纏めてみました。上位から綴っていきます。
以前も書きましたが、オオカミの群れの順位は基本的に、アルファのペアが筆頭で、雄雌それぞれにベータと呼ばれる2位がおり、最下位の個体はオメガと呼ばれています。そのどれにも当てはまらない中間の個体は、序列がはっきりしないこともあるそうです。ということで順位は私の想定です。
さて、メスはアルファのモロ母ちゃんから。

今年の2月に
交尾行動を確認しましたが、やはり受胎はしなかったようですね。お腹の毛はふっくらとしており、乳首の張りも全く見当たりませんでした。残念ですが年齢を考えると当然かも。
「モロが出産したけどダメだったらしい」との間違った情報が流れているそうなので、今年の妊娠・出産はなかったという証明のために記述しておきます。本当に動物に興味のあるかたは、彼女が出産したかしないか、写真を見れば明らかに違いが分かると思いますが…。

引っ越してもやはり威厳は健在でした。以前よりもかなり積極的に、群れのメスを統率しようとする行動が目立ちました。新居の居心地が良いのでしょうか、ますます元気になっているような気がして嬉しかったです。

メスのベータ(2位)はリロのまま変わらずでした。

あいかわらず、メロにだけは何度も牽制行動をしかけていました。他のメスへの統率をとるような行動も見られましたが、モロのように闘争の仲裁役をすることはなく、まだまだ気質は幼い印象です。モロの補佐をやってくれる日は来るのかなあ…。
上位へあがってきたと思われるのはマロ。

引っ越し前のすねたような態度はどこへやら、すっかり昔のマロの表情に戻っていました。

(一番左がマロ、その下がチロ)
チロやミロと折り合いが悪いのは変わっていないようで、頻繁にチロを追いつめる場面が見られました。ミロが巣穴から出てきたときも、牽制しようと一番最初に行動。攻め方が巧妙なのも変わってませんでした(笑)

ただ、メロに権威の誇示を行うと…(中央であごを乗っけているのがマロ)

なぜかリロが飛んできて「調子に乗るな」と激しく怒っていましたので、今のところメロとは3位を争っている状態なのかもしれません。この日はメロが反抗せずに従っていたので、リロの次だと想定してこの順番です。
メロ・チロ・ミロは折り畳みます。

次の記事で紹介しますが、メロ(一番右)は以前よりも明らかに活発になっているのが分かりました。そのためか、リロとはじゃれてるのか闘争しているのか分からない場面がいくつも見られました。ロイと同じような現象ですね。
写真はメロとリロではしゃぎすぎて?2頭いっぺんにアルファ夫婦に叱られている様子です(笑)

左からメロとリロ。かなり頻繁に諍いがあるわりに、一緒に行動する時間も多かったりして、仲がいいのか悪いのかよく分からない2頭です。メロは他の個体への牽制行動はなかったものの、かなり堂々としていたのでチロやミロよりは上位にいる様子がうかがえました。
そして片耳が折れてしまっているチロ。

彼女はマロから威圧を受けて降参している場面が多く見られました。また自分からリロやマロへ闘争をしかけることもありましたが、そのときだけ、モロやロボ・ロイから集中的に叱責を受けるので全く歯が立たない状況です。この日観察していた限りではミロより上位であると思われますが、限りなくオメガに近い位置にいる状態かも。
闘争以外では静かに休んでいることが多く、他の個体と遊んだりなどは見られませんでした。
引っ越し前から群れのオメガだったミロ。

やはりオメガなのは変わっていませんでした。引っ越し前に追った怪我から、さらにもう片方の耳が折れ、頭部に怪我を負っていました。傷は塞がっているようですが、耳はちぎれかかっている部分もあり…正直かなり心配です。彼女は一日、巣穴の中で過ごす時間が大半でした。群れからは極端に孤立している状況です。

(中央がミロ)たまに巣穴から出てくると、まずマロから威圧を受け、リロやチロが攻めにかかっていました。

ただ、ベータであるリロはそんなにミロに関心がある様子はなく、ミロがおそるおそる挨拶をすることも。このあと

すぐに巣穴に逃げちゃいました。リロの表情、特に威圧しているわけでもなく、かなりフラットな気持ちで接しているのが分かります。もともと、リロとはそんなに折り合いが悪いわけではないので、うまく取り入ったらもう少し、群れの中へ入っていけるのにな…。いまのところ、彼女がオメガなのは当分変わりそうにありません。
収容の様子を見ていたところ、ミロだけは群れとは別の檻に入れていました。ただ、金網越しに顔は見えるし、手足も通る作りになっていますので…慎重に様子を見て頂きたいなと思っています。
次の記事ではメロのはじけっぷりをお伝えします♪