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今日ものんびり動物園

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良いお年を2019

今年も当ブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。
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いつも新鮮な発見を齎してくれる動物たち、彼らとともに毎日頑張ってくださっている園館の職員の方々、いつも楽しいお話をお聞かせくださるzoo友さんがた、SNSで繋がっている方々、今年も大変お世話になりました。ありがとうございました。「国内のオオカミ一覧」の記事以外、多摩の訃報のみで更新できなかったにもかかわらず、当ブログを訪れてくださった方々にも、厚くお礼申し上げます。

昨年と同じく仕事が多忙のため遠征にもなかなか行けない日々ですが、多摩のオオカミたちの変化を観察し、記録する時間は仕事の疲れを癒してくれています。今年に入って頭数が減り、年齢を重ねて毎日の行動も狭まる中でも、小さな発見や変化を見つけることが楽しいです。でも、その様子を記事にあげるのはいつになることやら…(笑)来年も細々と続けて行けたらいいな〜と小さな希望を持ちつつ、時間を見つけて更新していきたいと思います。
「国内のオオカミ一覧」は今後もこまめに更新して行きますので、データベースとしてご活用頂けますと幸いです。
また、多摩のオオカミたちの様子や遠征に行った際のレポなどはTwitterなどSNSに上げるようにしていますので、興味のある方は覗いて頂けますと嬉しいです。


今年の国内のオオカミについての総括は以下から。
ここ数年は毎年訃報が多いですが、今年も例に漏れず大きな訃報の続いた一年になりました。

1月には天王寺のチュウゴクオオカミ、明明(メス)が亡くなりました。ユジンに似てとても美しい狼でした。ずっとバックヤード暮らしだったのが展示が再開されるようになり、会いたいなと思っていた矢先でしたので残念です。

2月に入って、同じく天王寺の元元(オス)が亡くなりました。彼の死因は口内にできた腫瘍によるQOLの低下で、安楽死が選択されました。動物園でこうした理由(QOLの低下)で安楽死の発表がされたのは、数年前に旭山で老齢のユキヒョウ(ゴルビー)の事例があったとき以来だと思います。欧米では治療とともに選択肢として普通に入っている措置と聞きますが、日本では動物にこういった措置をとることに、(特に対外的に)まだまだ抵抗があります。元元のことはとても残念ですが、天王寺は勇気のある発表をしたなと思います。
また、平川動物公園のシンリンオオカミ・ロジックが肺腫瘍で亡くなりました。ロジックは18年に、ミナとの間に仔をもうけたばかり。父親として良く役目を果たしていたと聞いていたので、残念でなりません。ミナは息子のジンと2頭になってしまいました。

3月は群馬のシンリンオオカミ・ビートンが亡くなりました。群馬サファリの展示オオカミは2頭&2頭の4頭になってしまいました。
富山ファミリーパークでは、お見合いを経てシートンとノンノがやっと同居開始になりました。zoo友さんやSNSで情報を聞くと、ノンノのカカア天下になっているようですが(笑)、今後の展開がとても楽しみなペアです。

5月には大きな訃報の一つ目…。円山のシンリンオオカミ・ルークが急性リンパ球性白血病で急逝しました。
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円山のラブラブペアだったジェイとキナコの長男で、とても賢く愛らしい個体でした。弟たちの面倒を良く見、父親のジェイとも最後までうまくやっていたルーク。持病があり何かと心配事は尽きない個体でしたが、まさかこんなに急に亡くなってしまうとは…。
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円山は定期的に訪問していて、ルークの成長も少しずつですが見守ってきました。今年は2月に、雪のなかで元気に動き回るルークに会ってきました。もうこの可愛らしい姿に会えないのはとても悲しいです…。

8月には、大きな訃報の二つ目が…。富山市ファミリーパークのシンリンオオカミ・サスケが老衰で亡くなりました。
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これは18年に訪問した時のサスケ。とっても可愛い感じのおじいちゃんでしたが、孫のシートンにはちょっと厳しかったです(笑)彼は全国にいる富山系オオカミたちの父や祖父にあたり、いわば今の日本の動物園のシンリンオオカミのルーツとも言える存在。生きているうちにお会いできたことは光栄でした。でも、シートンとノンノがいる環境でもう一度、お目にかかりたかったです。

11月には、円山のショウが、鹿児島の平川動物公園へ婿入りすることになりました。前述しましたが、2月に相方のロジックを亡くしたミナとのペアリングを目指すとのこと。
ショウが来園する代わりに、息子のジンは群馬サファリへ移動することになりました。ちょっと早い独り立ちになりましたね。群馬サファリではバックヤード飼育のみで展示しない個体もいるため、これからジンに会えるようになるかは未知です。私は国内のオオカミの中で、ジンにだけまだ会っていないので、今後会える可能性が減ってしまって残念でなりません。群馬サファリの公式で色々と情報を出して頂けるのを心待ちにしています。

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ユウキが移動してルークが亡くなり、ショウも移動して…円山にはジェイ1頭だけになってしまいました。ショウが平川へ行って繁殖することは到津〜円山の血統が続いて行くことになり、とても喜ばしいことだと思っています。でも…、今回の移動によって、円山の「オオカミの飼育終了」への時間がより短くなってしまったわけで、私個人としてはとても複雑な気持ちがあります。
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円山は北海道にあるという時点で既に、国内で最もオオカミ飼育に適していると言っても過言ではありません。また、近代までエゾオオカミが生息していたという教育的な意味合いでも、オオカミを展示普及することに意義がある土地だと思っています。
バックヤードは改良の余地があるものの、展示場の環境もかなり良いところなのに、飼育をやめてしまうのが本当に勿体ないです。方針転換…して欲しいなと願って止みません。
せめて、円山のオオカミ舎を思い出にしてくださる方が、これからも増えますように。
ジェイ、どうか元気で長生きしてね…!

こうして振り返ってみると、今年は私にとって大きな存在だったオオカミの訃報が多い年でした…。その中で、富山や、今後平川で新しいペアができることが、一筋の光明です。将来、いいお知らせがあることを期待したいと思います。

多摩のオオカミの総括は折り畳みます。



悲しみが続く中、変化もあった
# by hana440 | 2019-12-31 23:53 | 多摩動物公園(オオカミ)

ロト、ありがとう

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多摩オオカミ一家の次男のひとり、ロト(オス・当時11歳)が胃捻転のため、19年4月3日に急逝しました(公式発表)。一報からずいぶんと時間が経ってしまいましたが、新盆を迎えたので、改めてここに記しておきます。

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大放飼場で弟のロキ(現在11歳)とともに、2頭で過ごしていたロト。ここ数年、きょうだいの中では一番遠吠えをしたがる個体でもあったので、日に何度か、ロキと、あるいは独りで遠吠えをしている姿を見かけた方も多かったのではないでしょうか。

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弟のロキとは最後まで良好な関係を築いていました。旧獣舎の時からとてもウマの合う様子で、過去にはふたりで共闘し、群れの2位だったロイに歯向かったこともありました。

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ロト自身はずっと群れの中位にいたせいか、特に好戦的になる様子もなく、また上位になりたいという野心も強くなさそうで、きょうだいの中では欲のない個体だったと思っています。ロイ・チロと4頭群れだった頃はオスの中では最下位で、たびたび起こるロイとロキの諍いを諌める役割を担っていました。
ロキと2頭になってからはどちらが序列の上か曖昧な期間が続き、日によって上下が入れ替わっていたように推察されましたが、ロトは殊更に自分の序列を主張する個体ではなく、ロキとはのんびりと平和に暮らしていました。

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群れの中ではあまり目立たなかった彼ですが、日常の中で個性を発揮する個体でもありました。特に良く見られたのが、このニオイ付け!昔からあらゆるニオイにとても敏感で、放飼場で何かを見つけてはスリスリ、ゴロゴロする姿が印象的でした。私は密かにロトをニオイフェチと呼んでいました(笑)彼のお眼鏡にかなったものは、骨、肉のかけら、ウンチ、昆虫、ミミズ、雑草、枝…はたまた飛んで来たゴミ(人工物)まで、多岐にわたります。オオカミがどんなもののどんなニオイに興味を持つのか、たくさんの答えを導き出してくれました。
また、きょうだいの中では底なしの体力を誇る個体でもありました。一度走り出すとなかなか止まりません。きょうだいたちと鬼ごっこになると、相手が諦めるまで走り回っていたこともありました。
晩年はあまりはしゃぐ場面は見られませんでしたが、その体力と引き締まった身体を見ていれば、園の訃報で「獣医泣かせではない元気な個体」と言われたことも納得。私も、何も起こらなかったら一番長生きするのでは…と思っていたのです。

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胃捻転は大型犬がなりやすい病気で、給餌をきっかけに急に発症する事例も多いそう。
ロトも4月2日の給餌後すぐに異変が起き、その場に副担当さんがいらしたため、すぐに開腹手術になったそうです。早急に対処して頂けたとのことで、ロトの苦痛は最短の時間で済んだのだと思います。その日は手術後、ロトが麻酔から目覚めるのを待って帰宅されたそうですが、翌朝、獣医さんが出勤した時には亡くなっていたとのこと…。
胃捻転は一度起きると、助かるのが難しいとも聞いています。術後に覚醒できたロトは、すごく頑張ったんだなと思います。

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私がロトに最後に会ったのは、亡くなる3日前。閉園の音楽が鳴り、帰る前に撮った最後のショットです。いつも帰り際に「またね」と念を送ると、必ずチラッと視線をくれるロト。この日も同じようにしてくれました。もう会えなくなるなんて、思いもしなかった。
訃報を聞いた時は突然のことで、受け入れるのに時間がかかりました。未だにすごく淋しいけれど…いまは、彼が天国で安らかにあることを祈ります。
ロト、本当にありがとう。できればもっともっと活き活きとした君を見ていたかった。ロトが教えてくれた色々な知見を、これからも大切にしていくからね。

(写真は緑の景色=18年8月、それ以外は19年内)

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これは19年8月、お盆の放飼場。今年も緑が青々と茂って、酷暑でも過ごしやすそうです。
今年は亡くなったマロ・チロ・リロ、そしてロトの新盆。この1年で、4頭のきょうだいが亡くなり、淋しい限りです。ロボやモロ、そして亡くなった兄姉たちと一緒に、多摩に帰ってきてるといいな。
改めて、亡くなった個体と、いま多摩で暮らし続けているオオカミたちに、感謝の気持ちを伝える夏になりました。


# by hana440 | 2019-08-18 22:43 | 多摩動物公園(オオカミ)