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今日ものんびり動物園

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良いお年を 2021

今年も当ブログをご覧頂いたみなさま、ありがとうございました。
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相変わらず、「国内のオオカミ一覧」以外に全く更新できなくて申し訳ありません…。
今年も、いつも新しい発見と観察の楽しみをもたらしてくれる動物たちと、それを支えてくださっている園館の職員の方々に感謝しながら過ごす1年となりました。昨年に引き続いてコロナの影響が色濃く残る1年となり、ただの一般ユーザーとして、園館のために何ができるのかを自問していく1年でもありました。
昨年と変わったことといえば、対策は取りつつも休園はしないところが増えたこと。また経済的な困難に対して、積極的に声を上げてくれる園館が増えたこと。今まではあまりこういったリアルな現状を発信をしないところが多かったのですが、現在は動物の状況なども含め、情報を積極的に発信していく方向へ風向きが変わってきたのは、とても喜ばしいことだと思っています。今年もコロナのせいで遠征を取りやめた分、使う予定だった資金は、微力ながら各地の園館支援に回すことができました。これからも自分にできる範囲で、支援をしていきたいと思っています。
個人的には、今年は時間的な余裕はできたものの、やはり感染が怖く、首都圏の園と近所の自然公園で野鳥の観察をして過ごす一年でした。遠征は11月に招待券に励まされてやっと訪れた、那須どうぶつ王国のみ…。なのでどうにもオオカミンが足りていません。来年はそろそろ、オオカミ行脚を再開したいと思っています。

まずは今年の全国のオオカミたちの総括から…。
もう国内の個体の年齢が全体的に上がってきているので、今年も偉大なオオカミの訃報が続いた年でした。
1月には、天王寺動物園のチュウゴクオオカミ、チュンサンが亡くなりました。
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(2017年11月撮影)
相方のユジンを亡くしてから、バックヤードで過ごしていたチュンサン。18歳9ヶ月という、ここ10年の国内のオオカミの中では一番の長寿でした。私が最後に会ったのは写真の通り17年11月で、この時はまだユジンさんとも一緒でした。時折ヨボヨボした様子はあったものの、ひとり遊びを見せてくれたり、遠吠えをしてくれたりとまだまだ元気だなと感じさせる姿でした。寂しいですが、天王寺のブログで、入院してから亡くなるまでこまめに状況を更新されていて、大切にお世話されていたのがよくわかり、とても嬉しく思いました。

2月には、20年11月に那須どうぶつ王国に入園したホッキョクオオカミの雌、シンラとソフィアがお披露目となりました。ともに4歳との発表でしたが、ソフィアは写真で見てもわかるほど高齢のオオカミで、すぐに体調管理のためにバックヤード飼育になり、4月に亡くなりました。那須では事情は明かされていませんが、おそらく業者の手違いかオロモウツ動物園側のなんらかの意図が感じられ、ソフィアが亡くなった事実に加えて、悲しくモヤモヤとしたものが残る訃報でした。
ソフィアが非展示になって程なく、シンラは雄のアザリーと同居となり、初夏には雌のサンナも加わって3頭での展示になりましたが、古参のオオカミファンが心配した通り諍いが起こり、現在はアザリー・シンラのペアとサンナ単独で展示を分けるようになりました。
「雄雌の兄妹とよその雌で同居」のパターンは旭山で昔に事例があって、うまく行かずに1例目の1頭(クリス/ハチ)は死亡、2例目の1頭(マース)は大怪我を負うという結果になっているので、こうした同居にはもっと段階を踏んで、慎重になっていただきたかったな、というのが本音です。こうした飼育動物の情報は、もっと全園館で共有されたらいいのに…。ともかく、誰にも大した被害が出ずに済んで、本当にほっとしています。

3月に入ると、円山のシンリンオオカミ、ジェイが腰を悪くして一時展示中止になりました。心配していましたが、現在では元気に放飼場に出ているようで、フォロワーさんからの動画を見ても随分と歩き方がよくなりました。高齢なのでなにかと心配ですが、なんとか元気で長生きしてほしいなと願っています。

5月の末には、旭山の「お母さん」、シンリンオオカミのマースが亡くなりました。
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最期は放飼場で亡くなっていたそうで、直前まで特に兆候はなかったらしく、本当に突然の訃報になりました。国内のシンリンでは一番子沢山で、一番「やさしいお母さん」という言葉がぴったりな個体でした。
私が今まで会ってきた群れの「お母さん」の中で、こんなに立場がはっきりしていなかったアルファメスは初めてでした。ケンには一途に思われているし、子供たちにも慕われていましたが、それでも娘から威圧されて縮こまる姿がなんともちぐはぐで…本狼は子より下の立場を受け入れている柔軟性があって、観察していて非常に興味深い個体でもありました。他の園の群れでは見られない、旭山ならではのオオカミ一家のあり方を作っていたのではと思っています。
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(ともに2019年1月撮影)
ほんと、マースが威圧に反抗して声を荒げたり怒ったりするところを(現地でも他の方のレポでも)見たことがないんですよね…。だからこそ、血気盛んな旭山の若者たちの中にいて大丈夫なのかな、と心配していましたが、彼女の持ち前の柔軟性で、あの群れの中でうまくやってきたんだなと思うと、オオカミの群れって面白いなあと思います。本当に偉大な、心の広い母親でした。
マースが亡くなった事に加えて残念だったのは、国内では「親とその子供で形成される群れ」が、とうとうゼロになってしまったこと。オオカミの一番オーソドックスな群れの形態が見られないことは、動物園でオオカミを展示する意味も半減してしまうのではと考えています。旭山は今後、ノチウにお嫁さんをと考えているようですが、年齢もあるので、早めに導入が進むといいなと思っています。

初夏〜秋までは、特にニュースがなかったように思います。酷暑だったので高齢のオオカミたちの体調が心配でしたが、なんとかみんな乗り切ってくれて安心しました。

11月末には、東山動植物園のシンリンオオカミ、ティトが亡くなりました。
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(2019年5月撮影)
夏頃から体調を崩していたようで、SNSでたびたび展示中止になっているとのお知らせを見かけていたので心配していました。
東山の兄弟の中では一番体格が良かったのですが、それを利点にして立場を上にしたいという願望がなさそうな、とてもマイペースな個体で、ヒカルやゲンキが成長してきた時には下位に追いやられていたのが印象に残っています。そのため、群れからは早い段階で隔離されていました。その後は妹のノゾミと同居になり、そのおかげか長の立場に目覚めた様子が見られました。隣同士で威圧し合っていたマイケル・ヒカル・ゲンキの3頭が神戸へ移動した後は、険が取れて随分と穏やかな表情に戻っていたのを覚えています。
今の東山のオオカミ舎ではティトの身体の大きさが近くで感じられ、国内では他に見られない迫力のある個体だったので、もう彼に会えないのはとても寂しいです。
また、東山の新しく立派な獣舎に、ノゾミ一頭だけになってしまったことも気がかりです。いつか、新しい個体を導入することはあるのか…今後の動向にも注目していきたいと思います。


オオカミに関して個人的なこととして前述の通り、11月に那須どうぶつ王国へ遠征して、ホッキョクオオカミに会ってきました。
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オスのアザリー。年齢もありますが、まだ少し幼い雰囲気のある個体でした。オスがよく見せる、足を使ったひとり遊びなども見せてくれました。
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メスのシンラ。アザリーよりも年上ですが、美少女のようなあどけなさのあるお顔で可愛かったです。彼女のほうが大人びた雰囲気でした。飼育員さんにお話を伺ったところ、2頭はまだ姉弟のような関係性とのことでした。相性は悪くないそうです。
私が訪問した日はあまり2頭の絡みが見られませんでしたが、これから繁殖シーズンに入るため、どんな様子を見せてくれるのか期待しています。


今年も大きな訃報があった一年でした。国内の、特にシンリンはみんな高齢化が進んでいるので、心配は尽きません。特に嬉しいニュースはなかった1年ですが、残っている個体がみんな健康に、楽しく過ごせているだけでもよかったなあと思っています。
新しいニュースとしては、徳山動物園が園のリニューアルに際してオオカミの展示を始めると発表がありました。国内の個体が移動になるのか、それとも新規導入となるのか、来年は何か動きがありそうで、期待しています。

多摩のオオカミたちの総括は折りたたみます。


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# by hana440 | 2021-12-31 23:14 | Comments(0)

良いお年を 2020

今年も当ブログを訪れていただき、ありがとうございました。
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知見と癒しをもたらしてくれる動物たちと動物園水族館、そして常に彼らに寄り添っている園館の職員さんたちに、今年も心からの尊敬と感謝を申し上げます。今年は新型コロナウイルスのことで、どこの園館も大きな影響を受けました。ただの動物園好きの私には、訪問時に感染防止のエチケットを守ることと、微力ながらの支援しかできませんでしたが、これからもできる限りの応援をしていきたい、と改めて感じた一年でした。
今年は「国内のオオカミ一覧」のみ更新していたものの、何も記事に起こすことができず、訪れていただいた方々には大変申し訳なく思っています。観察日記と思い出だけがどんどん溜まっていきます(笑)
今年は仕事の都合で連休を取る暇が全くなく、また感染が怖くて都下から遠征に出る勇気もない、の二重苦で、休日は多摩とズーラシアへ行くことしかできませんでした。そんな中、全国のオオカミたちの変化は待ったなしで訪れ、会いにいかなかったことをものすごく後悔した一年となりました。


まずは今年の全国のオオカミたちの総括から。
1月には、前年の11月に円山から平川へ移動したシンリンオオカミのショウが、放飼場の馴致が終わって、ミナと一緒に展示されるようになりました。仲は順調そうな2頭、年初の繁殖期は特に進展はなかったようですが、来年から注目していきたいペアです。

3月には、下旬に那須どうぶつ王国にてホッキョクオオカミの公開が予定されていたものの、新型コロナウイルスの影響で個体の搬入が遅れ、延期となりました。この頃には放飼場も完成しており、公式のSNSでは放飼場の写真なども見ることができていました。

4月には緊急事態宣言が出された影響で、全国の園館で最長3ヶ月ほど休園に入るところも。オオカミを飼育している園は公立が多いので、会えなくなることが多かったようです。また、中国でペットの犬に感染が確認されたり、アメリカで動物園のトラが新型コロナウイルスに罹って発症したことなどがニュースになりました。人間から動物への感染・発症が確認されたことで、園館の職員さん方たちは、さらなるご苦労をされているのではないかと思います。

6月ごろから、休園していた園が再開し、対策が取られてほとんどの動物たちに普通に会えるようになりました。初夏に入るまでは特にオオカミ関連のトピックスはなかったように思います。

7月の中旬に、那須どうぶつ王国に待望のホッキョクオオカミが搬入されました。ドイツの動物園から、1歳で同胎の兄妹が2頭やってきたそうです。公式SNSでたくさんの写真が公開されています。当初は8月(夏休み中)の公開を目指していましたが、兄妹が環境に慣れていなかったため、9月に公開延期になりました。園によっては動物の都合を考えずに公開してしまうこともあるので、なすどのこの対応はとても嬉しかったです。
晴れて9月10日に、この兄妹は公開となりました。私はまだ会いに行っていないのですが、いつか行ってみたいなと思っています。

9月、ホッキョクオオカミ公開の嬉しいニュースがあった矢先に、悲しい訃報が続きました。
9月16日には、浜松市動物園のヨーロッパオオカミ、メイが悪性腫瘍のため死亡しました。
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このブログにも何度か書いていますが、毎年、ゴールデンウィークの前後に必ず会いに行っていました。今年は同じ時期に緊急事態宣言が出ていたこともあり、会いにいけずじまいだったことが何より残念でなりません。
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多摩のオオカミたちとはまた違った面差しの、とってもとっても可愛らしい個体でした。相方のナッツを亡くしてから、見違えるように表情が明るくなり、訪問を重ねるごとに新しい表情を見せてくれる彼女に会うのが、毎年の楽しみでもありました。他個体との共同生活より独りを好む様子だった点でも、オオカミとしてはずいぶんと個性のある、興味深い個体だったと思います。
昨年、年齢もあって身体の不調が多くなったと伺っていたので心配していましたが、担当の方々の心のこもった飼育の様子を公式ブログや地元の方のSNSなどで拝見していて、晩年のメイはきっと幸せだったろうなと思っています。
浜松は、オオカミの飼育は今後、どうするのかな…というのが唯一気になるところです。

メイの訃報を聞いたすぐ後には、東山動植物園のシンリンオオカミ、ジャックが亡くなりました。
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彼とはメイよりも付き合いが長くて、数えてみたら長男長女のMTJが生まれた年から会いに行っていたのでした。私が初めて見たシンリンオオカミ一家の大黒柱だったジャック。しょっちゅう権威の誇示をしていた多摩のロボ父ちゃんを見てきた私にとっては、「こんなにのーんびりしてても尊敬されるお父さんっているのね!」と驚いた個体でもありました(笑)
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新獣舎に移ってからは大病したり、息子たちに群を追われてしまったり、さらに大病が重なったり、旧獣舎でジャネットと一緒に暮らしたり…と色々ありましたが、何度も危機を乗り越える生命力の強さにも驚きました。
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何事にもマイペースで動じないジャックは、掴みどころがない感じがするのに存在感はものすごく大きくて不思議な個体だったなあと改めて感じています。ジャックにも、会いに行けなかったことが悲しくてなりません。
東山はティトとノゾミの2頭になってしまいました。その2頭ももう高齢ですし、今後どうしていくのか気になるところです。

10月にはまた大きな訃報が続きました。旭山動物園のシンリンオオカミ、ケンが亡くなりました。
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ここまで旭山の群れが確立されてきたのは、ケンがいたからこそです。数年前から足腰の悪い様子が見られていたので心配していましたが、とうとう…。最期まで本当に立派に役目を果たした、偉大な父オオカミでした。
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今年は多忙のせいで雪の旭山にもいけず、ケンとは昨年の冬に会ったのが最後になりました。喉をまっすぐに逸らせて遠吠えをする姿が印象的でした。
旭山の群れは世代交代を余儀なくされましたが、今のところワッカとノチウが上になって、なんとかいっているようです。ケンがいなくなったことで、オオカミの代表的な「群れ」(=父母とその子で形成される群れ)は、日本の動物園では見られなくなってしまいました。ケンが亡くなったことに加えて、オオカミの生態と行動を観察する楽しみが詰まった群れ展示が、日本ではもう見られなくなった、という事実がとても残念です。
旭山はしばらくは、残された4頭で展示を続ける気がするので、ここから巣立っていった子供たちが、それぞれで家族を作っていけたら…と願っています。

今年も大きな訃報の続いた一年でしたが、その中でホッキョクオオカミの導入と展示はとても明るいニュースになりました。今後は繁殖も目指していくとのことで、これからも期待が高まります。
多摩のオオカミたちの総括は折りたたみます。


みんな平和?に過ごせた一年
# by hana440 | 2020-12-31 22:50 | 多摩動物公園(オオカミ) | Comments(0)