東山動植物園のシンリンオオカミ、ソニア(メス8歳)が、乳腺腫瘍で3月22日に亡くなりました(
公式発表)。追悼の意味を込めて、今まで私が撮ったソニアの写真を並べます。再掲もありますがご了承ください。
私が初めてソニアに会いにいったのは2010年の春、マイケル・ティト・ジャネットの子育て中のことでした。オオカミに興味を持ってから、初めて仔狼を見に行ったのが東山。残念ながら、当時の写真データは消失してしまったのですが(涙)、とても落ち着いた、赤ちゃんたちのあしらいのうまいクールなお母さんといった印象でした。
(以下2011年撮影)MTJの翌年にはゲンキ・ヒカル・ノゾミが生まれ、訪問した当時は、母子で旧獣舎の小さいほうにいたソニアと3兄妹。
前年よりもさらに余裕のある雰囲気で、あまり仔狼と遊ぶような場面は見られず、優しく見守るように休んでいました。
(以下2012年撮影)12年4月には、北園に今の新獣舎がオープンし、広い芝生の上で楽しそうに寛ぐソニアがいました。
新しい放飼場が快適なのか、以前よりもウキウキとした雰囲気ではしゃぎ回る家族の様子を見ることができました。理知的でクールな印象だったソニアも、自分からジャックにじゃれつき、子供たちをレスリングに誘うなど、今までとは違う可愛らしい一面を見せてくれました♪ 彼女の無邪気な表情を見たのは初めてで嬉しかったです。
家族での遠吠えでは、真っすぐ上に顎を上げ、綺麗な姿勢で長く吠えていたのが印象的でした。
13年以降は折り畳みます。
(以下2013年撮影)13年の訪問では、ジャックが療養で隣の放飼場に、最下位だったジャネットが群れから隔離されて旧放飼場に移っていました。ソニアは隣の夫を気遣いながら、上位として群れの子供たちを見守っていた様子でした。
特にヒカルが成獣になっても活発だったためか、ソニアも相手をして、一緒に子供たちと遊び回っていたのは前年と変わらず(^^) とても明るい表情を見せてくれました。
出会ってから最後まで、前足をクロスして休むのは変わらず、これがソニアのトレードマークでした。なんだか上品な印象になりますね。これは子供たちにも受け継がれているのかな?
(2014年撮影)14年の訪問までの間に、家族群れはバラバラになってしまいました。一時、夫のジャックと一緒に隔離になったものの、その後単独展示になったソニア。隣のスペースにいる息子たちに、檻越しにアピールする姿がありました。
(以下2015年撮影)結局、だれとも合流しないままになってしまいましたが、夫婦を分けた原因が、「ソニアがジャックを下に見るようになったから」と伺って、彼女の賢さと、メスとしての本能を再確認した次第です。
ソニアがそんな態度に出た要因として、年齢を重ねて身体に弱さが出てきたジャックに対し、生命力に溢れたオス(息子たち)が近くにいたことも影響したのではと考えています。15年まではこうして隣のオス個体にアピールする姿が目立ちました。
(2016年撮影)翌年になるとアピール回数がグンと減って、隣の放飼場で戯れ合う息子たちをぼんやり見つめている様子が見られました。息子たちもソニアに対して淡白な印象でしたので、お互いに精神的にも、少し距離ができたのかなと思っています。
これが、最後にソニアを撮った最後の一枚になってしまいました。
昨年の訪問で、一番最後に収容されていったソニアの後ろ姿に、「一日おつかれさま、またね」と声をかけたことを覚えています。
「またね」の願いは叶いませんでした…とても淋しく、悲しいです。
美しく知的なソニア。あらゆる面で隙がなくスマートで、でも愛らしい一面も持っていて、とても素敵なオオカミでした。偉大なる東山の母にたくさんの感謝と哀悼を込めて。
ソニア…本当にありがとう、お疲れさまでした。
どうか安らかにね…