前回と同日、午前中に小放飼場に出ていたセロ(オス9歳)の様子です。
前回記事で述べた通り、この日はセロと一緒に暮らしていたミロ(メス11歳)が入院して数日後。夏からセロは単独展示でしたけれど、もう部屋に帰ってもミロの姿はありません。この個体掲示もなんだか淋しく見えました。
私がオオカミ舍に着いた時は、トンネルで眠っていたセロ。
しばらくすると起きだしてきて、フェンス際で遠吠え…。応えるメンバーは誰もいませんでした。セロが小放飼場に居るとき、自ら遠吠えを始めるのは珍しいことです。
何も応えが返ってこないのを確かめると、再びトンネルに戻ってきてゴロリ。なんだか思案げな表情に見えますね…。
この日は交替の時間まで、以前よりも落ち着きのないセロでした。
続きは折り畳みます。
暑い時期はトンネルや上の茂みで眠っている時間が多いセロですが、この日は随分と動いていました。頻繁にこの岩の上や、坂の途中でモウコノウマ方面を眺めます。
表情を見ると、ミロを失った落胆はもう通り過ぎているように思えました。
フェンス際に登ってきても、大放飼場のメンバーを気にする様子はなく、何かを探しているようにウロウロ…。知っている人間を見かけると柔らかい表情を見せます。
いつもはあまり行かない場所に立ち止まって、彼方を眺めます。
いつもよりも全く落ち着きのないセロ。やっぱり、ミロを探しているように思えます。
ちなみに、ミロが部屋に居る状態で、独りで小放飼場に出るようになった頃の記事は
こちら。これと比べると、独りで居ることの動揺は見えません。
入院する当日、動けなくなってしまったミロに、セロは(彼女が嫌がっていても)しつこく寄り添っていたそうです。運び出す際も、セロのほうが付き添って行こうと大騒ぎしていたそう。
セロは賢いので、ミロが連れて行かれた理由は分かっていると思いますが、それでも、一緒にいた家族がいなくなったのは淋しいし、心配なんだろうな。
何故か目が合った途端に遠吠えをされました。心配だよね、ミロも頑張ってるからね、と何度も伝えたのを覚えています。セロが独りで頻繁に遠吠えをしていたのは、この時期だけ。
突然独りになってしまった淋しさは十分に伝わってきました。もう精神的に独り立ちはしっかりしていたようで、隣の兄弟を頼ろうとはせず、心細さは全く感じられなかったのが救いです。
この数週間後に、セロは単独展示だったマロ(メス9歳)と一緒に暮らすことになりました。予想されたことでしたが、彼独りの期間が短くて良かったです。