暑いけれど、少しずつ秋の気配がしてきた9月中旬の多摩のオオカミたちの様子です。
この日は一日を通して穏やかな時間を過ごしていたのですが、収容時にアクシデントがありました。
担当さんがいつも通り、「お部屋に入るよ」の合図でベルを鳴らし、シュートが半分開きます。
他の3頭がすんなり入って行く中、入口でためらうロト(オス9歳)。
挙動不審でこちらを振り向きます。…どうしたの?
ロトが入らないため、先に部屋の前まで行ったオスたちが、再び放飼場に飛び出してきました。ロトも一緒にシュートから離れます。
オオカミたちが帰らずに放飼場を駆け回るのは、この獣舍に引っ越した当初はよくある光景だったのですが、最近は久しぶりでした。こういうとき、何故かみんな楽しそうに走り回るのはなんでかなあ(笑)
軽く半周して、再びシュートに戻ってきた3頭。ちゃんとお部屋に帰るかな?
続きは折り畳みます。
ロイとロキは入って行きましたが、やはりロトだけが入口で警戒します。心細いのか、キュンキュンと鼻啼きを始めました。
応えるようにロイが飛び出してきます。
2頭で放飼場へ駆けて行きました。やっぱりどこか楽しそう(笑)
奥にいたチロとロキも出てきちゃいました。
4頭で合流〜
わちゃわちゃ
ここでチロはシュートに戻りましたが、オス組はガラス面のほうまで駆けて行ってしまいました。おそらくロト以外の3頭は、早く部屋に帰ってごはんが食べたいのだと思います。でも全員が入らないとごはんが食べられないことも分かっていて、宥める意味でシュートから出て来、ロトを誘って遊ぶように駆け回っているのかもしれません。
楽しそうな表情で戻って来たロト。きょうだいとはしゃぐことで、少しずつ緊張がほぐれていくのが分かりました。
ロイが先導して、シュートに入って行きますが…(チロはもうお部屋の前だったようです)
やっぱり無理!(笑)再び楽しい駆けっこの始まりです。いつになったら入るんだろう…
上述のような光景を何度か繰り返し、シュートの前でひとり遠吠えしたりとなかなか入らなかったロトですが、6度目くらいでやっとシュートに入っていきました。よかった〜
シュートが開いた状態のとき、何度も獣舍への通路を確認していたロト。
この数日前に、療養中のミロが入院することになり、職員が獣舍に集まって作業をしました。その光景を見ていた大放飼場組は、部屋に入ることを躊躇するようになってしまったそうです。日常と違うただならぬ雰囲気に、きっと驚き、警戒したのだと思います。
この日はその騒動から日が浅かったため、収容までに時間がかかりました。チロやロキはほとんど警戒していませんでしたが、最初はすぐ飛び出していたロイと、いつまでもためらっていたロトは恐怖心がより残っていたのだと思われます。こういうときにも個体の性格が出ますね。
改めて、オオカミの繊細さと警戒心の強さを実感した出来事でした。
(今現在ではスムーズに帰っています)