16年11月に亡くなった多摩オオカミ一家の長女・ミロ(享年11歳)。追悼の意味を込めて、彼女のオオカミ生を振り返ってみたいと思います。
まずは旧獣舎時代の、2010年から2011年末まで。
(以下2010年撮影)
コンデジ撮影分の2008〜2010年の秋ぐらいまでの写真は見つからず…。かろうじて見つけたこの写真、ミロは中断の左から2番目の個体です。みんな、若いですね〜
この頃私は個体識別ができていなかったので、ミロはzoo友さんに「良きお姉さん個体」と教えて頂きました。
確かに今当時の写真を掘り返してみると、メス同士の諍いを仲裁したり、母モロの補佐的な役割を担っていました。モロのようにガウガウと激しく叱る場面はあまり見られず、穏やかな対応をしていたため、印象に残る個体ではなかった記憶があります。それ故か、私が識別できるようになったのは消去法で最後のほうでした。
長くなります。2011年以降は折り畳みます。
(以下2011年撮影)
二つ下の妹・マロと一緒の写真。2011年の冬が来るまでは群れの上位におり、弟妹たちを穏やかに諭す姿が記録に残っています。
この頃はキーパーズトークでのホネ投入が頻繁にありました。ミロはいつも中段にいたので、飼育員さんを少し警戒しつつも、積極的にホネを取りに行っていたと思います。
個体紹介の看板にも「可愛らしい顔立ち」と書かれていたミロ。穏やかな性格が顔にも出ている、癒し系の顔立ちでした。
ミロの立場が危うくなってきたのは、2011年の秋頃から。
もともと不動のオメガだと思われていた妹・チロが何らかのきっかけで上位になり、代わりにオメガになったマロを心配して寄り添うミロの姿が、頻繁に観察されるようになりました。
今までビクビクオドオドしていたチロが姉妹を威圧する姿にも驚きましたが、特に抵抗する力もなく上位から転落してしまったミロにも驚いたものです。この頃のチロの勢いには勝てなかったのかなと思っています。
もともと巣穴にいるのが好きだったミロですが、下位になってからは、一日の半分以上を巣穴で過ごすことが多くなっていきました。
立場が危うくなったと同時に、穏やかで明るい表情が消え、複雑な表情を浮かべるようになりました。また、顔周りに怪我をするようになったのもこの頃からです。
末っ子の弟・ロキはミロが気になるようで、心配そうに鼻を寄せる姿がたくさん撮影されていました。ミロのほうはどう思っていたかはよく分かりませんが、ロキはミロと群れを分ける前まで、ミロに積極的に関わろうとしていました。きっとロキの中では好きなお姉さんだったんだろうなと思います。
次の記事では、2012年から2013年の引っ越し前までのミロを綴ります。