桜が満開の時期、多摩のオオカミ放飼場にはユキヤナギも満開でした。
前回の観察で、少しぎこちない雰囲気になってしまった第一放飼場のメンバー。その後の様子です。
この日は珍しく、ロキが遠吠えの始まりを勤めていました。隣の放飼場ではセロが単独で展示、ミロは室内でしたが、別組の誰かが遠吠えを始めたわけではありません。自分からひとりで遠吠えをし始めるのは珍しかったです。
すぐに共鳴し出したのはチロ(メス9歳)。丘の上に上がってきて
遠吠えを続けるロキの口元を舐めます。
ロト(オス8歳)も丘の上に。このとき、1位のロイは少し離れたところにいて、遠吠えに加わっていましたが…
遠吠えが終わったあと、再びロキにじゃれ付くチロを見ながら、慌てた様子でやってきました。
尾を高く上げて、上からチロに絡んでいきます。チロがあんまりロキに熱心に接するので、焦ったようでした。
続きは折り畳みます。
1位のロイがやってきたことで、チロとロトはすぐ彼への挨拶にシフトしますが、ロキはその場に寝そべったまま…。
3頭の挨拶合戦が盛り上がっているのに、加わろうという気は全くなさそうです。これは前回から変わってないみたいですね。
盛り上がりがピークになって、ロトがゴロンとして2頭にじゃれています。ロキ、背中が当たっているはずなんですが、振り向きもしません…。
ようやく喧噪が落ち着いて、チロもロトもばらけて休み始めた頃に立ち上がったロキ。
ロキの様子を伺うようにして、ロイがすぐに寄って来ました。鼻を近づけますが、ロキは特に口元を舐めたりはせず…表情は少し緊張しているように見えます。
ロイはそのままロキの首元に鼻を埋め、しばらくじっとしていました。この行動、両親が子供たちに良くやっていたのですが、愛情表現の一種なのかなあと思っています。
あんまりヘソ曲げるなよ、みたいに話しかけていたのかもしれませんね(笑)遠吠え中にチロがしつこくロキの口元を舐めに行っていたのも、同じような意味がある気がしました。ロトとぎくしゃくしているのを、ロイとチロで宥めようとしているのかも。
この日は4頭での交流も見ることができました。ですが…
やっぱりロキは早々に離脱。「えっ、もう外れるの」な表情のロイ(右)とロト。このロキの態度は、他の個体も何か思うところがあるようです。
以前から「気まぐれ」の印象が強いロキですが、地上(モート以外のところ)でマーキングを始めた時期から、この態度に意味が出てきたように思います。ただ、全面的に兄弟と離れる気はなさそうなのがまた、微妙な感じです。
この日はロトとも距離をおかず行動していて、ふたりの間の緊張はいくらかほぐれたようでしたが…
収容後はかなりやり合っていました。ロキは歩み寄りたい態度を示していたのに対し、ロトは距離をおきたがっている様子でした。まだ、昔のような関係には戻れていないようです。