前回からの続き、雪の日の多摩のオオカミたち。
この日、1位のロイ♂はどうだったかと言うと、先日の和やかな雰囲気は影を潜め、また威張りん坊が戻って来た感じでした。
鼻に雪を乗せた顔は可愛いですが、シュート前にやってくる兄弟たちに権威の誇示をしまくり。
挨拶するみんなからペロペロされて、鼻雪もあっという間になくなりました(笑)私が見ていた間は、他個体との交流は権威の誇示ばかりで、戯れたりする様子は見られませんでした。
このシュート前でのやり取りで、興味深い行動が見られたので綴っておきます。
他個体と同じくシュート前に来たミロ(ω♀、手前の矢印)ですが、ロイが威張っているのを見て身体がすくんでしまいます。
そんなミロを見て、ロイはすかさず威圧に動きます。近くにいた3頭が、またミロと闘争になるのかと様子を窺っています。
ここで奥のセロとロキがほんの一瞬、顔を見合わせたかと思うと…
ロイ、そんなことしてないで遊ぼうぜ!と戯れるようにして駆け出すセロ。ロイ(奥)は虚をつかれてミロから視線を外しました。
おそらくセロは、ミロを威圧するロイの気をそらすためにこの行動をとったと考えられます。以前からやっている、セロなりの場の和ませ方ですね。
白けた顔をしていたロイでしたが、セロがしつこく誘ったおかげで、ロイは「いい加減にしとけ?」と威圧しにいくことに。ミロはその場を離れようと急ぎます。結局遊びには発展しませんでしたが、陽動作戦はまんまと成功したのでした(笑)
奥ではロイを宥めようとしてか、ロキがセロと一緒になって口元をペロペロ。
このあと、ロイはロキとしばらく戯れていました。2頭のうまい連係プレイで、ロイは気を逸らされ、ミロは激しく追いやられることなく助けられました。
続きは折り畳みます。
ロイの威圧から開放されたあと、ミロに「大丈夫?」と確認しにいったセロです。この光景はここしばらく見られませんでしたが、やはり彼はこういう、思いやりある行動がとれる個体ですね。
同じくロイの可愛がり?から開放されたロキも、ミロを気遣います。
セロにも鼻を寄せるロキ。マイペースで他のことに構わないロキも、いつの間にか、こういう気遣いができるようになったんだなあ〜と感動しました。
下位だからなのか性格なのかは分かりませんが、穏やかな個体と、好戦的な個体とで、気持ちの溝が深くなっている気がします。
その中間で板挟みになっているのは3位のロト(中央)でしょうか。前回のようにセロと控えめにはしゃぎつつ、ロイの前では媚を売りまくっていました。
ロイが不機嫌だったので、ご機嫌を取ろうと寝転がるまでやってます(苦笑)ロトはもともとは穏やかな個体に入るので、こうして場を和ませようとしてはいるものの、それが自身にとってかなりのストレスになっているようなのが見ていて切ないです。
ロイのご機嫌を取ったあと、やっと開放された時のロト。いつもこんな微妙な「やれやれ…」と言いたそうな顔をしてます(笑)
中間管理職は大変ね〜。ロボがなくなった直後にはロキと結託してロイをやり込めようとした彼ですが、いちど勝負に負けたからか、もう彼への反骨精神はなさそうなのが残念です。
この日の収容前は、珍しくミロが攻撃されることはなく、至って平和に1日が終わりました。やはり雪の日は、少しだけ日常とは違うようです。