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勢力分離しつつある兄弟たち(2014/10/25〜11/22)

多摩のオオカミ兄弟たち、秋に入ってメス個体の勢力がくっきりと二分されてきた雰囲気なのは、前回お伝えした通りです。しばらくすると、その雰囲気がオス個体にも影響を及ぼすようになってきました。今回はその様子を纏めます。
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1位のロイ♂(左)に挨拶に集まる下位個体。7位のセロ♂を筆頭に、2位のリロ♀と最下位のミロ♀がやってきました。
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この時ロイはミロからの挨拶も受け取っていましたが、自分から挨拶を返すことはありませんでした。この3頭に関しては、示威行動以外にロイから構うことが滅多にない組み合わせです。こういう場面のロイの表情を見ていると、ロボとは違って、ただ威張っているだけに見えます。
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4位のロト♂は彼の腹心とも言える存在ですが、やはり挨拶されても威張るのみ。どちらかというとロトのほうが自分の意志で、ロイの味方についている状態です。
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一方、ロイが自分から接触に行くのは6位のメロ♀。メロも嬉しそうに挨拶を返し、なんだかいい雰囲気です。いい写真がなかったのですが、5位のチロ♀も同様に、ロイとは仲の良い様子。
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3位のロキ♂(左)にも、ロイから積極的に働きかけますが、ロキはその場凌ぎの挨拶を返して、他のところは知らん顔と言った感じです。ロイにしたらロキは自分の子分だと思っている節がありますが、ロキのほうはおそらく、ロイの存在が少し煙たいんじゃないかと感じています。上の写真でロキの表情を見ても、威張るロイに「仕方がないなあ」という顔で挨拶に行っているように見えます。

ここで感じた仮定グループを一旦纏めると…(序列順)
・ロイ♂、ロト♂、チロ♀、メロ♀
・リロ♀、ロキ♂、セロ♂、ミロ♀
の二派に分かれてきているように思えました。オスメスは等分ですが、勢力的にはロイたちのほうが上ですね。

続きからは、どうして上記のようなグループになるのかの検証を。




オス個体を観察していて、もしかしたら、仲のいいメス個体の風向きに引っ張られているのかもしれない、と考えるようになりました。繁殖期が近いですから、そうなってしまうこともあり得るかなと。
まずはロイ派の検証から。
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最下位のミロを攻撃するロイ。そこに、いつもはほとんど示威行動をとらないメロが、ここぞとばかりに加担してきました。
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ロイはそのままミロを攻め続けますが、加担したメロのほうは、リロが素早くやってきて取り押さえます。これは前回お伝えしたことと同じく、ミロがメス個体から攻撃を受けるとリロが飛んできて守る図式です。
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睨み合うロイとミロの傍にいたチロも、チャンスとばかりにロイに加勢していました。
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メロのほうはリロが抑えましたが、チロのほうは(セロが身体を割り込ませたものの)強く止めることはできませんでした。上位のロイを止めることは誰にも不可能のようです。アルファがいないと、こういう時は序列第一になるのかもしれません。
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秋口に入ってから、収容時間になると、シュート前でロイがミロを攻撃するようになりました。リロもロイの気を逸らすためか、友好的に近づいていきますが…
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ロイはそんなの完全無視でミロを攻撃。このとき、ロトも加担していました。シュート前でこれが始まるようになると、やはりロイ派の4頭だけがミロを攻撃しています。
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このときのロイの攻撃が、ちょびっと噛んで引っ張る、を繰り返していて…、まるで弱い者いじめを楽しんでいるかのようなのです。ミロはこのときに一番怒ってる感じがします。
私が現在まで見ている収容時には、毎回必ずこの攻撃をやっているロイ。面白がってこんなことをするようでは、到底アルファには相応しくありませんね。
それから補足として…
前回記事の最後の写真はロトとチロです。写真からもいい雰囲気なのが伝わってくると思います。ここでも度々記事にしてきましたが、ロトもチロも、お互いのことをとても慕っているようです。また、チロはロトが不利になる状況でも味方になるという点でも、チロの風向きはロトの意向次第で決まっていくのかもしれません。
現在ロトは、ロイの子分のように行動していますので、それにくっついてチロもそうなっていると考えても良さそうです。

ロイ派をあぶり出すと、自然と残りがリロ派になってしまうんですが、ロイが自分から接しない威張り散らすだけの個体、という共通点の他に、個体同士の仲の良さなども考えられます。
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もともと、遊び相手として序列無視で遊んでいるリロとセロ(参照記事)。セロのほうは、ロイに対するときにリロの権威を借りたい雰囲気にも見えました。リロのほうはロイが好きなためか、セロの手助けをすることはありませんが、昔と変わりなく接していることは確か。
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リロとロキはお互い子供っぽいからか元々仲良しですが、11月に入ってまた少し距離が縮まった印象でした。モートにマーキングするロキと、ぴったり後ろについているリロ。
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ロキのマーキングのあとを散々嗅いだリロ、そのまま草をパクパクしていました(^^;) 尿を被せることはしなかったのですが、これは何の意味があるんだろう…?
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ロキがリロにアピール?しているようなところも、ちらほら見かけるようになりました。リロのほうは応えたり応えなかったりと気まぐれ。結局、ここから関係が進展する前にリロが隔離になったので、仲良し度もこのままでしたが…。
ロキに関しては、ロボが亡くなったあとからミロに対して甘えたな状態なのはこの記事の通りです。
リロがミロを守るようになったのも前回の記事の通りですので、やはりこの4頭でリロ派と仮定しても良さそうです。
ただ、リロ派のほうはロイより下位の個体ですから、生活のために上位(主にロイ)にゴマをすることも欠かせません。ですから一見、特に変わりなく皆がコミュニケーションをとっているように見えます。
私も観察の回数を重ねて、なんとなく感じたことを仮定して検証してみましたが、その後の繁殖期の様子を見てからこの時期を振り返ると、おそらく雰囲気としては合っていたんじゃないかと考えています。
by hana440 | 2015-03-15 18:44 | 多摩動物公園(オオカミ) | Comments(0)