多摩の正門を入ってアジア園に向かうと、いちばん最初に会える哺乳類はニホンイノシシです。手前の広い放飼場にいるキントンさん(メス・11歳)の、ある日の夕方のお話。
もう閉園前だったからでしょうか、階段状になっている放飼場の一番上に待機していました。手前には乾草と、カラスが一羽。キントンさんはカラスとも仲良しなんですね。
カラスが飛んで行ってしまい、残った乾草に鼻を近づけるキントンさん。収容前だからお腹は空いてるはずですが、口を付ける様子がありません。もしかしたら、カラスが持ってきて、置いていった乾草なのかな?
お隣を見たキントンさん、何故かニッコリ。お隣のニホンジカたちは夕方の給餌中。何となくそわそわしながら、みんなが動き回っていました。
キントンさん、そっと乾草をくわえて…
左のほうへ移動〜何をするつもりなのかな?
そのまま、お隣との柵ぎわにやってきて、乾草をぽとりと落とします。もしかして…
続きは折り畳みます。
なんと、壊れた網の隙間から、鼻を上手に使って乾草をお隣へ押し込んでいました(笑)柵を隔てた向こうには、餌の争奪にあぶれてウロウロしていた若いシカが。
キントンさん、持ってきた乾草をすべてシカにあげてしまいました。シカも喜んでごちそうになっているみたい♪ ここの金網が破れていたところを見ると、たびたびこうして差し入れをしていたのかもしれないですね〜
シカが食べる様子をしばらく眺めて振り返ったキントンさん、なんだか嬉しそうでした(笑)
「私はお部屋に、もっと美味しいごはんが待ってるからね」ってところでしょうか。お隣のシカたちが主に乾草を食べていることも、よくご存知のようですね。まさか差し入れをするとは思ってもいなかったので意外でした。
お隣との可愛らしい交流を見せてくれたキントンさんに感謝。
少々お年なのに加えて暑い時季だからか、最近は具合が悪いそうで出ていないこともあるキントンさん。もうすぐ、好物がたくさん採れる季節がやってきます。美味しいものを食べて、お元気で長生きしてほしいです。