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闘争時における、中位個体のスタンスを考察する(2013/12/28)

ごちゃごちゃとしている写真が見にくいうえ、名前をふってありますし分かりにくいです。オオカミの観察日記は覚え書きとして記事にしているのでご了承ください。興味のない方はスルーでお願いします。

年末にシュート前で見られた、オメガのネロを取り囲んでの闘争。そのときの写真から、序列の中間に位置している個体の、闘争時におけるスタンス(考え方や行動)を考察してみたいと思います。
写真を見る上で、この日の時点の順位を以下に仮定しておきます。名前の後の数字は順位です。
α:ロボ♂
2:ロイ♂ 3:リロ♀ 4:ロト♂(上位グループ)
5:マロ♀ 6:ロキ♂ 7:メロ♀ 8:チロ♀ 9:セロ♂ 10:ミロ♀(中位グループ)
ω:ネロ♂
中位グループとした5〜10位までの個体を中心に見て行きます。

シュート前で縮こまっていたネロのところへ、職員さんが獣舍にやってきたのをきっかけに集まってきた兄弟たち。
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一番奥でネロが牙を剥いていますが、このときに乗じて上位のロイ・ロトから牽制を受けました。ここから2頭がネロを責め立てる行動に出ます。

とても長くなりますので、続きは折り畳みます。




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耐えきれなくなって、ロイに対抗するネロ。手前ではロトとチロが並んで威圧しているようです。ロイ・ロトはωのネロを責め立てる姿勢を崩さなかったので、上位グループとしておきました。注目すべきは8位のチロ。
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ロトがネロに攻撃をくわえると見るや、一緒に向かって行きます。今までは♂個体には示威行動をとらなかったので、これは非常に驚きました。ロトとの仲が深まっていることも関係しているようです。
そのチロを、後ろで尾を上げて監視しているマロがいます(後述)。
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騒ぎを聞きつけて兄弟が集まってきます。激しくなってきた闘争の推移を見守る中位グループのなかで、セロが真っ先に、止めに入るべく行動に出ました。
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身体を割り込ませて仲裁しようとするセロ。後ろから、ミロがセロに力添えしようと入って行きます。
一方チロは、再度ネロに攻撃をしようとしています。ロキとメロは傍観者、マロは未だチロを監視。
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団子になって闘争している4頭は地面へ倒れ込みました。セロは仲裁するように覆い被さります。右横のミロとメロは、言葉で宥めているようにも見えます。今まで監視していたマロは、そろそろ行動に出ようと身構えています。
ひとり離れていた♀1位のリロが、慌てて駆け寄ってきました。
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セロが身体を張って止めていますが、なかなか効果がありません。隙間に入り込めないミロ・メロ・ロキは状況を見守ります。
駆けつけたリロと監視しているマロは、2頭で別の行動を起こそうと様子を窺います。
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ついにロボが動き出します。セロはどうやら、♂のどちらかを身体で止めている模様。それにミロとメロが加勢し、身体を挟んだ状態のようです。
チロは寝転がったネロに追い討ちをかけていました。
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ロボが仲裁に入ったことで、一旦退いて行くセロとミロ。メロも身体を引いて、ロキの隣に戻ります。
ここで監視していたマロが一気にチロを責め立てます。背後にはリロが加勢。
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マロとリロが団子状態の中から、チロだけを引きずり出して牽制します。ロボも最初にチロを叱ったようです。
マロは上位に混じってωを攻撃したチロに腹が立ったようでした。リロも同じく、♀の下位がこういった行動に出ることに、厳しく反応するようです。
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ここから、チロはマロ&リロにきつ〜いお灸を据えられるハメになります(黄文字)。ここから闘争が分化していきました。
一方ネロのほうは身体を起こすことができました。ミロが鼻先を入れて宥めています。左ではロキがロトに身体をぶつけ、仲裁するそぶりを見せていました。セロはロボの行動を待っているよう。メロは傍観です。
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喧噪の中から外れてきたロトを、ロボがまず叱ります。隣でそれを見つめるセロ。
奥ではまだロイとネロが闘争を続けており、ミロがネロを宥め、ロキがネロを宥めようと?近づいて行きます。
その奥では先ほどのリロ&マロ対チロの闘争が変わらず続いていますが、変化はないので割愛。
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ロイとネロが睨み合う中、ミロとロキが鼻先を近づけて仲裁しているようにも見えました。ロボがその中央に割って入ろうとしています(鬣だけが見えます)。
手前では、再びネロを牽制しようと、外から様子をうかがっていたロトを、そうはさせまいとセロが注視しています。
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ロイがついにロボに御用となり、それに気が付いたロトは牽制しに行くのをやめました。セロが少し安堵の表情を浮かべています。
奥ではマロがチロを牽制し追い詰めていました。再び自分に近づいてきたチロを警戒しているネロに、宥めるようにロキが寄り添っています。
写真では見え難いですが、傍観を決め込んでいたメロが、チロを宥めるためか、鼻先を低くつっこんでいるようです。
リロはマロがやり過ぎないように、離れたところで監視しています。
と、ここまでで、ロボがロイを叱ったことで決着がついたのか、この場は散開したのでした。

以上で分かった中位グループの闘争時のスタンスを纏めると…

5:マロ♀→自分より下位のメスが攻撃をすることは許さない
この日はたまたまチロでしたが、おそらくメロやミロが攻撃行動に出た場合も同じく牽制すると思われます。キーはメス個体だけということ。どうしてなのかは分かりません。

6:ロキ♂→最初は傍観しているが、沈静化してくると兄弟を宥める
彼の場合は、オメガ個体が誰かにもよるようです。ネロがオメガになってからは、彼を気遣う様子が見られます。同胎ゆえかもしれません。メスがオメガだった時期は、傍観を決め込んでいました。

7:メロ♀→ほとんど傍観だけ、メス個体を少し宥める程度
彼女はあまり激しいところには首を突っ込まず、仲良しのチロを宥めるような行動をしていました。オス同士が争っているところはひたすら傍観。自分が仲裁できる立場にないことをよく判っているようです。

8:チロ♀→気に入った上位が攻撃、もしくは反撃された場合加勢する
チロの場合は、ロトが攻撃に加わったときと、ロトがネロから反撃を受けたときに過剰に反応し、攻撃に出ていたようです。自分の序列のためではなく、ロトのために行動していたと考えられます。おそらく彼が闘争に加わらなかった場合は、チロも傍観していたでしょう。
彼女は現在も同じスタンスのようです。メスがオメガだった時期は、自らの意思で攻撃をしていました。

9:セロ♂→できうるかぎりの手段で仲裁しようとする
これは今までの観察日記でも述べてきた通りです。オメガがどの個体であれ、下位を守る行動をするようになったのはセロただひとりです。彼も下位なだけに、効果がないときもあります。

10:ミロ♀→とにかく隙を見て説得に入る
セロと似たような行動ですが、彼女の場合は牙を剥くことはなく、穏やかに諭し、宥める手段のようです。宥める行動以外には、怪我をした個体を気遣い、心配するような表情も見せています。彼女も下位のため、宥める個体はやられている側のみのようです。

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シュート前は家族が集まりがちで、一見家族全員でオメガを総攻撃しているように見えますが、細かく見ていくと、実はそうでもないことが解りました。
ロボ一家を何年か観察してきたなかでは、ネロは一番味方の多い、幸運なオメガに思えます。彼の今までの来し方がよかったのか、味方になってくれる個体たちの気持ちの変化かは判りませんが…。

このときはロボがアルファとして君臨していたため、ネロも事なきを得ましたが、アルファ不在になった群れでは、また違う風向きになっていきました。
それは追々、記事にしたいと思います。
by hana440 | 2014-06-23 17:24 | 多摩動物公園(オオカミ) | Comments(0)