以前の記事で、少しだけ群れから浮いているように見えたチロ(メス7歳)。その後、群れでの立場は変わっていないようですが、彼女の心境にも徐々に変化が現れたようです。
放飼場に到着して観察を始めると、モートに数頭が降りていました。チロも珍しくモートに降りているなあと思ったら
(ピンぼけすみません)なんと、兄弟と一緒に駆けっこの最中でした!こんなに笑顔で、しかも威圧されて逃げること以外で、こうして走っているチロを見たのは初めて。驚きと同時に嬉しくなりました。
彼女の心境になにがあったのかしら?と観察を続けるうちに色々と分かったことがありました。
以前から、一つ下の妹・マロとは仲が良くなかったのですが…
夏の終わり頃から、2頭の距離が近くても逃げ出すことがなくなったのです。以前なら、近くで昼寝をすることもそんなになかったはずです。
マロが目の前にいても、ビクビクオドオドすることなく、落ち着いていました。また、マロが以前に比べてチロを威圧する時間が少なくなったことも確か。
チロの挨拶を、マロが優しく受け止めています。マロのほうも、徐々にチロの存在を受け入れていったようですね。次の繁殖期にチロがどんな態度に出るか、マロが彼女をどう思うか、でまた関係の変化はありそうですが、今のところは友好的なようです。
続きは折り畳みます。
また、弟のロト・ロイともあまり関係は良くならないようだとお伝えしたのですが、やはりこちらにも変化がありました。
ロト(右)は最近、チロの挨拶を素直に受け入れ、自分からじゃれに行くことも多くなっています。彼もまた、チロの存在を徐々に認めていったようです。これはチロの努力の賜物かもしれないですね。
左からロト、チロ、ロイ。いままでの「異常に下手で媚を売る感じ」よりも、きちんとした普通の挨拶も交わせるようになってきました。あまりやり過ぎるとリロから叱られるのは変わりませんでしたが、彼女がオメガでなくても、群れに馴染んできた証拠なのだと思います。こうして、ロトやロイから時々、遊びの誘いを受けて走り回るようになりました。
前述の、マロがチロを認めるようになったのは、ロトの彼女への態度が軟化したからではと考えています。このまま友好的にいくといいけれど…。
小心者でオドオドした態度は性格なので仕方がないですが(笑)、オメガから脱してやっと、少し堂々と振る舞えるようになったチロ。兄弟と一緒に、積極的に遊び回るようになったのは嬉しい変化でした。