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今日ものんびり動物園

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果てなき闘争4 (2013/1/13)

メス同士の闘争が激しくなり、重傷のメロが展示されなくなった、1月13日の群れの様子を綴ります。
比較的、引きの写真を載せていますので、怪我の写真は苦手だけど群れの動向が気になる方は、この記事をご覧ください。(長文です)

今までの経緯はこちら。
主に個体の怪我の状況を追っていますので、痛々しい写真ばかりです。ご注意ください。
・果てなき闘争1 (2013年1月4日)
・果てなき闘争2 (2013年1月12日)
・果てなき闘争 3 (2013年1月13日)←個体観察の記録
13日、午後にご一緒したまにゃもうさんも、ロボ一家の様子を記事にしてくださっています。
傷だらけの女狼たち

この日は前日に大怪我をしていたメロが展示場に出されなくなり、特に相手になっていたリロは、前日よりも比較的落ち着いているように見えました。ただ、メス全体の雰囲気はそこまで平和という感じでもなく、不安定な空気が漂っていました。午後に入って、みんなで遠吠えをしている最中に…
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チロ(右端)が中央付近で吠えているメス(手前のオオカミの影になっています)に向かっていきます。
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吹っかけた相手はリロ。まさか、チロがリロに戦いを挑むなんて驚きました。順位的にはもちろん、リロが上。チロもそこは納得していたように思っていましたが…メロがいなくなった影響もあるのでしょうか、かなり強気になっています。
右端でモロがチロを止めようとしており、左奥のマロが「えっ?いま?」という表情をしています。
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チロ(右)の挑戦に受けて立つリロ、取っ組み合いになります。前の写真でぽかんとしていたマロも、メス同士の争いだったからか、加わるそぶりを見せています。右のモロ母ちゃんだけが必死に止めようとしていますね。
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モロ母ちゃん、上からチロを押さえ込みます。少し前なら、これでチロがゴメンナサイをして収まるのですが、この時は違いました。リロとマロは、チロの両隣について攻撃態勢に。
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母ちゃんの制止もむなしく、両サイドからリロとマロが噛み付いてしまっています。この時にチロはまた右耳を出血、リロも右目のキワに穴があいていました…。
左上から、ロボも止めに入ります。息子たちはただ黙って見ているだけ…。
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騒ぎを見て、いちばん怪我の酷いミロ姉も闘争に加わってきました。どうして首、突っ込むかな〜危ないよ…(涙)
モロはチロのお尻を抑えた状態、左にいるロボは、身体を割り込ませて止めようとしています。でも、張本人のチロと、サイドにいるリロ・マロはまったくおかまいなしに見えます。
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次の写真でこんな位置にミロ(中央)がきていたので、おそらく彼女も、母ちゃんと同じく闘争を止めたかったのかもしれません。でも、今のミロの立場では、到底妹たちにはかなわないうえ、逆に反感を買う恐れがあるのに…。
こんな体勢でメスたちが絡み合いながら段を落ちていく間に、なぜか
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途中から首を突っ込んだミロ姉が、メス3頭の標的にすり替わっていました。やっぱり…。リロが後足をガッツリ銜えてしまっています。このときにまた、怪我が増えてしまいました…。
渦中にいたチロは、うまくすり抜けて堀の入り口へトンズラ。

続きは折り畳みます。




なんとかリロの牙を振り払って、下段へ追われたミロ姉。そこに
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「お前らいい加減にしろ!」
ミロ姉(左)をかばうように、セロが威嚇します!偉い!
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このあと、メスたちが上段へ引き上げるまで、守るように唸っていたセロでした。今までも、下位の個体が攻められたときにはこうしている彼の姿が見られましたけど、たいてい攻める側が上位のオスだったりして効果なしでした。今回はメス個体だけだったからか、見事に守れましたね。ネロがいなかったから、奮起したのかな?これを見て、なんだか嬉しくなりました。

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メロがいなくなって、ますます向かうところ敵なしに見えるリロ(左)。その力を借りたいとでも言うように、今まで仲の良くなかったマロが、彼女にすり寄っていくような場面もありました。2頭が並んでいるときに、そばにミロ姉(上)が来ると
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「リロも手伝って!」なんて誘うように、ミロやチロを攻めにいきます。マロが比較的軽傷なのは、上位のリロをうまく?利用していることも関係していそうです。
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中央がマロで、ミロを追いつめ中。左でモロが睨みを利かせています。威圧するのは奥のリロに任せて、マロは前で母ちゃんにゴメンナサイしつつ、お尻でミロに迫ります。これなら顔に攻撃は受けにくいし、痛い時はすぐ逃げられます。相手へのダメージもあまりなくて済みます。マロだけは他のメスたちとは違い、状況に応じて加減をしているようにも見えました。彼女だけは、群れから少し離れて寝そべっている時間が多いので、その点でもまだ理性的なのかな?
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この日、怪我の酷かったミロと、右耳をやられているチロが寄り添う場面も多かったです。酷い怪我にも関わらず、チロをかばうようなそぶりを繰り返していたミロ…。前日までの惨状に見かねて、以前のように「姉として」の役割をしないと、と思っているのかもしれません。
一方、チロのほうはあまりそれを察している様子はなく、「ミロのほうが下位、追い抜かされてたまるか!」とばかりに、強気な態度を崩しませんでした。彼女はいつも自分のことでいっぱいいっぱいのようですね…。

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「チロ大丈夫?」とでも言うように、右耳の血を舐めてやっているロト。怪我をした子を心配しているだけでも、まだ立派。
ロイとロキは、メスの闘争にはまるで無関心。ロキは特に「巻き込まれたくない」態度をはっきり出していました(苦笑)ロイは、いつもつるんでいたネロが急にいなくなったからか、どうも放心状態に見えました。キミが2位にあたるんだからしっかりして〜!
本来なら、ロボに加えて、力の強かったネロが一緒に止めに入ったので、メスの闘争が冬になってもそんなに酷くなっていなかったのでは、と思っています。ネロの役割を引き受けるオスが、一番下位のセロしかいないのでは、何とも心もとないです。できればロイもロトも、末っ子体質だけどロキも、もうちょっと…ロボ父ちゃんの助けになってくれたら…。これからまだ冬は続きますし、もうこれ以上、悲惨なことにならないよう祈っています。メロも、ネロも、元気かな…。

しかし、メスたちを容赦ない攻撃に駆り立てるのは、一体なんなのか…。オオカミは真冬が繁殖期に当たり、この頃になると、いつもよりも気がたっている状態になることが分かっています。特に、メス同士の闘争は、オスよりも激しくなるそうです。通常の闘争でも、ちょっと加減を誤ると死に繋がってしまう力があるオスのほうが、より慎重に牙を立てています。メスはあまり加減が分からないのでしょうか。それとも、この時期は加減することすら忘れるような何か、強い闘志のようなものが湧いてしまうのか…。
多摩のメスに限って言えば、出産経験のあるとされるメロとミロだけが、とても酷く攻撃されていることも気になります。

他の動物園では、獣舎にメスを一緒にしたために、後遺症の残るような大きな怪我をすることになったり、死亡してしまったケースもあります。過去、多摩でも怪我の後遺症で亡くなった個体もいるので、二の舞を防ぐためにも、オオカミたちのために何か対策をしてほしいものです。
展示されなくなっても、会えなくなっても、無事なら良いと…、今回の惨状を見て思いました。
どうか、これ以上みんなが傷つくことがありませんように…。
by hana440 | 2013-01-21 10:30 | 多摩動物公園(オオカミ) | Comments(0)