前回の記事の続きです。こちらは、この日の子供たちの行動を追います。(2013年1月、繁殖に関する文章を加筆修正しました)
ここ数ヶ月で、群れの第2位を確立して来たネロ。
大胆にも、マーキングをしていました。
別の場所にも、もちろん足を上げて、尻尾もピンと立てています。
オオカミの群れでは、アルファ(第1位)夫婦以外は片足を上げて排尿することは許されません。この日は、ロボもきちんと片足を上げてマーキングする行動が見られたので、上記のことを考えるととても不思議。
アルファが排尿したマーキングには、相方のアルファが片足を上げて重ねます(繁殖期のみの場合もありますが)。このときネロがしたマーキングの上に、メス個体が重ねることはありませんでした。ですが、前回の記事と合わせても、この行動がネロからの反逆の狼煙のような気がしてしまいます。
ロボも、ネロのマーキングに気が付いていないのか、叱るような行動をしませんでした。おやつでそれどころじゃなかったのかな?(苦笑)
続きは折り畳みます。
そしてなんと、兄妹(しかも3位以下)同士でこんな行動が。
上がロト、下がメロちゃん。月に一日はじっくり観察してきてもう2年以上経ちますけど、ロボモロ以外でちゃんと雄雌マウントする行動を見たのが初めてでした。まあ、たまたま見られなかった、というだけだと思います。子供たちも年頃なので、こういうことがないのはちょっと変ですよね。ちなみに、メロは尻尾が入っているので、たぶん困ってます(笑)
見つけたネロとリロが飛んできます。
メロにその気がないのを分かっていたのか、リロ(右)はあまりしつこく叱ることはしませんでした。
一方、仕掛けたロトはこってり叱られてます。…この「下位の交配を許さない」行動は、2位の2頭の采配によるものかな?ちなみにこの時のロボ父ちゃんは、牛骨に夢中で完全無視。
狼の群れでは、アルファ以外にも下位同士で繁殖することがあるそうです。交尾のルールはその群れごとに違うとのことで…この時はネロリロが止めに入りましたが、ロボモロは何の関心もなさそうでした。これは新しく上位にあがったネロとリロが反射的に起こした行動かもしれません。
「私のために争わないで…」みたいな図(笑)
ロトが彼女を選んだのは偶然なのかな。それとも、いつもモロに大事にされていて、将来有望株のような扱いだから、メロに行ったのかなとか…疑問な点が多々あります。群れの序列と、メスとして魅力的かどうか、はまったく別の問題のようですね。
やはりよっぽどの行為だったのでしょう、激しくなかったものの、ネロはしつこく叱っていました。
前回の記事と併せて考えると、ネロがとても力をつけてきているのが窺えます。老親に対しては今のところ、特に乱暴な行動をすることはありませんが、穏やかにじわじわと独立している気がして…これからどうなっていくのか興味深いです。